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2009 年度 実績報告書

リドカインの腫瘍細胞増殖抑制および致死機序の解明

研究課題

研究課題/領域番号 21591978
研究機関宮崎大学

研究代表者

鬼塚 信  宮崎大学, 医学部, 助教 (20264393)

キーワードリドカイン / アポトーシス / 腫瘍特異性 / 細胞内ATP濃度 / ミトコンドリア
研究概要

目的:前回、腫瘍細胞におけるリドカインのアポトーシス誘導を報告した。しかし、その腫瘍特異性は不明である。そこで、リドカインのアポトーシス誘導に関してヒト正常白血球と培養腫瘍細胞(HL60:ヒト骨髄性白血病細胞)を比較した。方法:アポトーシス細胞数は、アネキシンおよびヨウ化プロピジウム(PI)で二重染色し、フローサイトメトリー(FACS)を用いて測定した。ミトコンドリア膜電位をTMRMで染色しFACSで測定した。ミトコンドリアの活性酸素産生量をMitoSOXで染色しFACSで測定した。細胞内ATP濃度をルシフェラーゼ・ルシフェリン法およびルミノメーターで測定した。ミトコンドリアのカルシウム濃度をRhod-2で染色しFACSで測定した。数値は平均±標準偏差で表し、統計学的処理は分散分析(Scheffe検定)を用い、p<0.05を有意とした。結果:リドカインは臨床使用濃度以下からHL60細胞特異的にアポトーシスを誘導することを観察した。一方、正常白血球においては、このリドカイン濃度における著明な細胞死は認めなかった。さらに、白血球とHL60細胞を混合した場合もリドカインはHL60細胞の死細胞数を選択的に増加した。リドカイン暴露で、HL60細胞により有意にミトコンドリアの膜電位、活性酸素産生量、カルシウム濃度の増加および細胞内ATP濃度の低下が見られた。CCCPなどミトコンドリア脱共役剤を用いた実験でもリドカインと同様の結果を得た。
結論:リドカインは、ミトコンドリア活性を抑制することで腫瘍特異的に強力な腫瘍細胞致死作用を有する可能性が示唆された。ミトコンドリアが腫瘍細胞の一弱点であることが示唆された。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2009

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] リドカインはヒト白血病細胞にアポトーシスとネクローシスそれぞれを誘発する2009

    • 著者名/発表者名
      鬼塚信, 山下幸貴, 田村隆二, 恒吉勇男
    • 学会等名
      日本麻酔科学会第56回学術集会
    • 発表場所
      神戸
    • 年月日
      2009-08-18

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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