研究課題/領域番号 |
21591990
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研究機関 | 大阪医科大学 |
研究代表者 |
早崎 華 大阪医科大学, 医学部, 助教 (90257866)
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研究分担者 |
相馬 義郎 慶應義塾大学, 医学部, 准教授 (60268183)
福田 敦夫 浜松医科大学, 医学部, 教授 (50254272)
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キーワード | GABA / 三叉神経節 / グリア細胞 / 神経伝達物質 / release |
研究概要 |
目的:シナプスが存在しない三叉神経節(TG)内における抑制性神経伝達物質GABAの生理的役割はよく解っていない。 我々は、これまで三叉神経節の神経細胞体(NC)とサテライト細胞(SC)にGABAが存在し、分散培養の神経細胞体ではGABA受容体が機能発現していることを報告し、三叉神経節内におけるNC-SC間のGABAを介した神経伝達制御機構の存在の可能性を報告した。今回、我々はこの新しいGABA介在性神経伝達制御明らかにする目的で、画像解析と免疫染色法にて三叉神経節での細胞外GABAの放出の可能性を検討した。 結果:スライスされたTG組織において、NC周囲に持続的なGABA放出が観察された。この自発的GABA放出は、細胞外高K+条件およびアニオンチャネル阻害剤(DNDS)それぞれ単独投与によって増加したが、興味深いことに高K+刺激により増加したGABA放出はDNDS投与することにより抑制された。また、細胞外の低Ca2+状態はGABA放出に影響を与えなかった。 GABA freeにおける分散培養24時間後のTGにおいては、NCからのGABA放出は認められたが、SCからのGABA放出は観察できなかった。しかしながら、100μM GABA添加1時間後においては、NCのみならずSCからもGABA放出が観察された。このとき、NCからのGABA放出は、DNDSでは抑制されず、GABA輸送体(GAT)阻害剤(ニペコ酸)によって抑制された。一方、SCからのGABA放出はニペコ酸で抑制されず、DNDSによって抑制された。 これらの結果から、神経細胞体はGATを介してGABAを放出し、サテライト細胞はアニオンチャネルを介してGABAの可逆的な取り込み・放出を行なっていると考えられた。我々は、三叉神経節内において局所的なGABA作動性システムが神経細胞体とサテライト細胞の間に形成されて、神経伝達に重要な役割を果たしていると推測している。
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