研究課題/領域番号 |
21591997
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
福田 妙子 筑波大学, 医学医療系, 講師 (40228911)
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研究分担者 |
久野 節二 筑波大学, 医学医療系, 教授 (70136216)
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キーワード | ニューロステロイド / 術後痛 |
研究概要 |
目的:アロプレグナノロンの手術創に対する鎮痛効果を検討するため、Brenannのモデルを作成し、アロプレグナノロン投与群と対照群の比較検討を行った。 方法:7週齢雄のSprague-Dawleyラット45匹を対象とし、アロプレグナノロン高用量群(1.6mg/kg)、低用量群(0.16mg/kg)およびコントロール群(溶媒のみ)の3群に分けた。ラットの背部皮下に薬剤を投与し、15分後イソフルラン麻酔下にBrenannのモデル(右足底長軸方向1cmの切開後2回マットレス縫合)を作成した。術前、術後2時間、24時間、48時間、7日後に、右足への荷重の程度(姿勢スコア)、テイルフリックテスト(52℃のホットバス)、機械的アロデニアの程度(von Frayfilament)を測定した。アロデニアについては、Dixonの簡易式50%反応閾値とup-down methodを繰り返して求めた逃避反応閾値6回の平均値を検討した。 結果:手術前後の体重および体重増加率に群間差はなかった。姿勢スコア、テイルフリックテスト、簡易式50%反応閾値はどの時間においても群間差を認めなかった。低用量群の逃避反応閾値6回の平均値は術後2時間と24時間後に、コントロール群に比べて有意に高くなっていた。高用量群では有意差を認めなかった。 アロプレグナノロンの手術創に対する鎮痛効果は、用量に比例しないことから単一の機序でないことが示唆された。また、単独では鎮痛効果が弱い可能性があり、今後は他の補助薬と組み合わせて鎮痛効果が増強されるかについて同様の手法で検討していく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
交付申請書に記載した実施計画は、全て完了している。
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今後の研究の推進方策 |
補助薬の効果を検討するにあたっては、まず臨床上使用頻度の高いNSAIDsを検討することとした。 研究遂行上の問題点としては、アロプレグナノロンの効果が用量依存性ではなかったので、当初予定していた25~50%の効果が得られる量の設定が困難なことがあげられる。有意差のあった低用量群においても、鎮痛効果は弱かったので、対応策としては、低用量群で用いた使用量をそのまま使用する方向で検討中である。
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