研究課題
1. 術前気道評価の標準化に関する研究前年度までの分析で、文献的に報告のある危険因子のうち年齢、BMI、マランパッチ分類、小顎の有無が喉頭鏡による喉頭展開の難易を予測するのに有用である可能性が示唆された。この結果に関しては、2011年6月に開催された、日本麻酔科学会・第57回学術集会において発表した。しかしながら、ROC曲線下面積は0.66にとどまり、予測に限界があることが分かった。問題点としは、喉頭展開困難となる症例数が予想より少なく、因子数を増加させることができなかった可能性もあった。今年度、症例数を増やし検討してみたが、結果は変わらず、この方法での評価は限界があると結論された。今後は、今までの報告にない非侵襲的なベッドサイドテストと、X線画像検査を組み合わせて行うことを計画している。2. 抜管後上気道閉塞の危険因子の同定と対策に関する研究気管チューブの抜管可否の判定にカフリークテストの施行を提唱してきた。この研究に関しては、より包括的な研究タイトル「気道管理の標準化に関する研究」の一部として行うこととした。気道管理の標準化に関しては、当施設で従来使われていた気道管理アルゴリズムの見直しを行った。新しい気道管理アルゴリズムは、「酸素化の維持」がもっとも大切であることを意識したアルゴリズムに改編した。この新しいアルゴリズムの概念に関しては、Anesthesiology 2010に発表した。このアルゴリズムには、さらに修正を加え日本麻酔科学会においても提唱していく予定である。今後は、気道管理の難易度を示すスコアを、このアルゴリズムを利用し作成する予定である。
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Anesthesiolgy
巻: 114 ページ: 7-9
臨床麻酔
巻: 35 ページ: 497-504
Anesthesiology
巻: 113 ページ: 812-818