| 研究課題/領域番号 |
21592010
|
|---|
| 研究機関 | 岡山大学 |
|---|
研究代表者 |
松三 昌樹 岡山大学, 医学部, 客員研究員 (70219476)
|
|---|
| 研究分担者 |
森田 潔 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (40108171)
森松 博史 岡山大学, 岡山大学病院, 講師 (30379797)
|
|---|
| キーワード | 一酸化炭素 / ヘモオキシゲナーゼ / 肝移植 / 再環流障害 |
|---|
| 研究概要 |
平成23年度はこれまでの研究成果をまとめた。以前の研究において呼気一酸化炭素(CO)濃度の上昇は体内でのヘム代謝が関係していることが示唆されていた。特に今回の研究では肝移植術中に上昇した呼気COの上昇と、臨床的outcomeとの関係を評価した。これまでの研究において肝移植術中の呼気CO濃度の上昇は肝移植虚血再環流後肝組織内のHeme Oxygenase-1(HO-1)の上昇と有意に相関していることを見いだしていたため、肝組織内HO-1の上昇と術後肝機能障害の程度(Alanine amionotransferase)との関係を調べた。その結果肝組織内HO-1の上昇は、術後のALTの上昇と有意に相関していることが示された。また肝組織内のHO-1タンパク発現の局在を調べるために、免疫組織染色を行い、HO-1タンパクは肝組織中のKuppfer細胞に局在して発現していることが判明した。これまでの結果と、今回の結果を総合すると肝移植術中の呼気CO濃度の上昇は、肝組織Kuppfer細胞内のHO-1タンパクの発現が関与したヘムタンパク崩壊による障害を反映し、ひいては術後の肝機能の障害の程度を推測できる可能性を示唆した。また、これらの結果により、肝移植術中の虚血再環流障害の一部は肝組織におけるヘムタンパクの崩壊が関与しており、呼気一酸化炭素濃度の上昇はこれらの障害を反映している可能性がある。
|
