研究課題
従来、さまざまな侵害刺激に応じ血圧、血管容積脈波が変化することが知られていたが、両者とも多くの要素に影響を受けるため、必ずしも侵害刺激の指標といえない場合がある。本研究は"血管粘弾性インデックスの周術期の鎮痛モニタとしての有用性を明らかにすること"、を目的とし、血管の粘弾性(剛性・粘性・慣性)の測定・評価を行っている。これまで、1)最大級の周術期の侵害刺激(気管挿管)において、血管粘弾性は血管容積脈波よりも鋭敏に反応することをHiroshima journal of medical sciences誌に発表した。2)また、on-lineで血管粘弾性と心拍変動解析の計算・表示が可能である測定システムを確立し、その有用性をMedical&biological engineering&computing誌に発表した。今年度は、鎮痛モニタの構築において重要と考えられる"鎮静"について、大脳皮質・皮質下のモニタとしてBIS(bispectral index)・AEP(auditory evoked potential)、さらに自律神経機能のモニタとして、心拍変動解析(HRV)を行った。その結果、全身麻酔導入後の気管挿管による侵害刺激(痛み刺激)において、BISやHRVでは変化は捉えられなかったが、血管粘弾性インデックスは有意な変化を示したことよりその有用性を示すことが分かった。この成果は時間医学研究会で発表しており、現在論文作成中である。
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電気学会論文誌C部門
巻: 131 ページ: 1518-27
International Journal on Electrical Engineering and Informatics
巻: 3 ページ: 498-515
http://www.bsys.hiroshima-u.ac.jp/index.phtml