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2011 年度 実績報告書

肥満および前糖尿病状態における神経障害性疼痛モデルの解析

研究課題

研究課題/領域番号 21592023
研究機関新潟薬科大学

研究代表者

前田 武彦  新潟薬科大学, 薬学部, 教授 (50271010)

研究分担者 岸岡 史郎  和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (60137255)
木口 倫一  和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (90433341)
小林 悠佳  和歌山県立医科大学, 医学部, 助教 (20511562)
キーワードアディポカイン / アロディニア / 脂肪細胞
研究概要

申請者は、末梢神経周囲膜上にアディポカインを発現する脂肪細胞が分布し、末梢神経損傷モデルではその発現が変動することをこれまでに明らかにしてきた。一方、肥満症では内臓脂肪細胞の増殖・分化異常が、アディポカイン産生の恒常性を崩すことが示されている。そこで、当該モデル動物の末梢感覚神経周囲脂肪細胞でもそのような事象が発生するのか、生じるとすれば、それらが神経障害性疼痛にいかなる影響を及ぼすのかを本課題において明らかにする。本年度は、神経障害性疼痛におよぼす末梢神経周囲脂肪細胞増殖分化の影響を検討した。高脂肪食負荷マウスの坐骨神経あるいは下肢足底皮内の周囲における脂肪細胞について、その数(増殖の指標)とサイズ(分化の指標)の経日的変化を組織学的に検討した。その結果、高脂肪食負荷により、脂肪細胞の肥大化が認められた。さらに、上記検討により神経機能障害との関与が特定されたアディポカインの神経周囲脂肪細胞における変動を、RT-PCR法により評価した。その結果、レプチンのアップレギュレーションがみられた。同様に、脂肪細胞の分化のマーカーであるC/EBP-α、肥大のマーカーであるmest、炎症反応を示すCOX-2の発現増加がみとめられた。また、全T細胞のマーカーであるCD3γ、樹状細胞/M1型マクロファージのマーカーであるCD11cのmRNA発現増加が認められた。これら免疫系細胞の増加は、免疫組織化学的検討においても、その細胞数の増加が確認された。以上の結果は、高脂肪食負荷により、脂肪細胞の分化と肥大ならびに、M1型マクロファージがそれらに集積し、炎症巣を形成している可能性が示唆された。これらの成果により、高脂肪食負荷により生じる末梢神経障害性疼痛の病態に、坐骨神経周囲における慢性炎症が関与する可能性が得られた。効果的治療が存在しなかった肥満症における神経障害性疼痛に対して、治療標的分子を提示すること、ならびにその食事療法と薬物治療のアプローチ開発が期待される。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2011

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Availability of serum corticosterone level for quantitative evaluation of morphine withdrawal in mice2011

    • 著者名/発表者名
      Ueno K
    • 雑誌名

      Drug Discov Ther

      巻: 5 ページ: 71-75

    • DOI

      10.5582/ddt.2011.v5.2.71

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Pharmacological relationship between nicotinic and opioid systems in analgesia and corticosterone elevation2011

    • 著者名/発表者名
      Yamamoto A
    • 雑誌名

      Life Sci

      巻: 89 ページ: 956-961

    • DOI

      10.1016/j.lfs.2011.10.004

    • 査読あり
  • [学会発表] 緩和医療における臨床研究・基礎研究とは2011

    • 著者名/発表者名
      前田武彦
    • 学会等名
      第61回日本薬学会近畿支部総会・大会
    • 発表場所
      神戸
    • 年月日
      2011-10-22

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公開日: 2013-06-26  

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