研究課題/領域番号 |
21592024
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
中村 俊康 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (70265859)
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研究分担者 |
押尾 晃一 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (90185588)
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キーワード | 複合性局所疼痛症候群 / 慢性疼痛動物モデル / 拡散強調MRI / 拡散強調スペクトロスコピー / みかけの拡散係数 / T2値 / 末梢浮腫 / 異常疼痛 |
研究概要 |
本研究では複合性局所疼痛症候群(CRPS)の重要な他覚所見のひとつである末梢の浮腫に着目し、慢性疼痛動物モデルに対して拡散強調MR Spectroscopyを行いて、末梢浮腫の早期診断の可能性を検討し、CRPSにおける客観的な診断法を確立することを目的とする。本研究により診断に難渋することが多いCRPSの早期診断が可能になれば、臨床的意義は大きい。今年度はラット坐骨神経にゆるくナイロン糸を4回程度巻きつけるBennet類似モデルおよび第5腰神経を強く結紮するChangモデルの2つの慢性疼痛動物モデルを計8匹作製し、支配筋である下腿三頭筋のMR撮像を行い、T2値、ADC値変化を術後1、2、3、5、7、14、28日に観察した。また、終痛閾値の低下は備品として購入したダイナミックプランタ・エステシオメータを用い、定量的に評価した。Foot printerによる下腿三頭筋機能評価と電気生理学的検討もあわせて行った。その結果、Bennetモデル、ChangモデルともにADC値とT2値の緩徐な上昇を認め、モデル間の差はなかった。疼痛閾値は術後1日から低下し、28日まで継続して回復しなかった。また、電気生理学的検討ではM波の消失は認めなかったにもかかわらず、下腿三頭筋機能は著明に低下した。このことは慢性疼痛動物モデルではAllodynia発生後から浮腫が継続し、運動機能は筋電図所見に反し低下することを示唆した。
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