方法および対象:日本人および米国人のデータはUCLA David Geffen School of Medicine泌尿器科Litwin教授の協力のもと日本人及び米国人前立腺癌患者QOLデータベースを使用した(日本人447例、米国人427例)。日系米国人のデータはQueen Medical centerで前立腺癌と診断された日系米国人を対象とした。 QOL面の評価ツールは身体的及び精神的QOLについてはMedical Outcome Study Short Form 36、尿失禁、排便及び性機能の評価にはUCLA Prostate Cancer Indexの自己記入式調査票を用いて評価した。 結果:これまでに412例の米国人、352例の日本人、54例の日系米国人が研究対象となった。身体的QOLでは日系米国人は2群に比較して高かった。排尿及び排便のQOLでは違いが見られなかった。性機能では米国人が最も高く、日系米国人の性機能は日本人と近似しており低値だった。性負担感項目では日本人及び米国人は高値を示し有意差を認めなかったが、日系米国人は両群に比較し低値を示した。 結論:日系米国人の性機能は日本人と類似していた。一方性機能に対する負担感については日系米国人の方が大きく、これは米国人に類似する傾向であった。現在研究は進行中であり、今後の症例の蓄積により、更なる成果が期待できる。
|