1癌研有明病院での転移性腎細胞がん患者220症例以上の臨床病理学的データベースを作成中であり、骨転移症例に関しては2010年癌治療学会総会にて報告予定である。肺転移症例、骨転移症例、無再発症例について、原発巣での遺伝子発現プロファイリングでの特徴を 2淡明細胞癌組織10例、乳頭状腎細胞癌3-5例を正常周囲組織とペアにて採取し、次世代シーケンサーを用いてDNAシーケンスをおこなった。現在、解析を行っている。網羅的にコピー数を検索・比較し、遺伝子発現のprofilingを行う。非常に幸運に恵まれれば疾患特有の融合遺伝子が見つかる。そうでない場合でも遺伝子発現のprofilingから新しいがん遺伝子が同定できる可能性は低くなく、また、real time PCRにより、発現の高い遺伝子を調べることによって今までにない新しい予後規定因子が同定できる。 3比較的症例の多い前立腺癌の進展におけるmicroRNAに焦点をあてて研究を開始した。クロマチンサイレンシングに寄与を行っているポリコーム群蛋白質Mel-18が3'非翻訳領域にmicroRNA結合予測配列をもち、その1遺伝子多型による予後の違いを報告した。
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