研究課題
本研究は現在までの我々の研究から示された、「悪性度の高い前立腺癌は去勢環境下でも副腎由来のアンドロゲン前駆物質から、テストステロン、デヒドロテストステロンを自律的に産生し、増殖する」という仮説を検証し、さらに、前立腺癌細胞内アンドロゲン代謝酵素の発現を検討し、それらの酵素の発現阻害や活性阻害をすることにより、新たな細胞内アンドロゲン抑制療法を開発することを目的とした。本研究において、去勢環境では、下垂体-副腎内分泌軸によるアンドロゲン合成調節を用いて前立腺癌細胞内アンドロゲン環境を維持しており、下垂体-副腎内分泌軸がアンドロゲン合成調節の中心的役割を果たしていることを示した。本年度の研究で、前立腺癌組織、前立腺癌培養細胞株、患者血清を用い、前立腺細胞内のアンドロゲン代謝に関連する酵素HSD17B6ならびに3αアンドロスタンディオールから活性型アンドロゲンであるジヒドロテストステロンに至る経路を同定した。我々の研究から副腎由来のアンドロゲン前駆物質であるデヒドロエピアンドロステロンからジヒドロテストステロンに至る経路でアンドロゲン受容体に結合する前の制御が行われていることが推測され、前立腺癌組織内アンドロゲン代謝が、単にテストステロンからジヒドロテストステロンに至る代謝するだけでなく、デヒドロエピアンドロステロンージヒドロテストステロン代謝軸というダイナミックな経路が存在することを推測させた。
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