研究課題/領域番号 |
21592038
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研究機関 | 福井大学 |
研究代表者 |
大山 伸幸 福井大学, 医学部附属病院, 講師 (20223977)
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研究分担者 |
横山 修 福井大学, 医学部, 教授 (90242552)
岡沢 秀彦 福井大学, 高エネルギー医学研究センター, 教授 (50360813)
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キーワード | PET / 腎細胞癌 / 分子標的治療薬 / 治療効果 |
研究概要 |
平成21年度より、転移性腎細胞癌に対する分子標的治療薬であるソラフェニブおよびスニチュブの早期治療効果をPET画像診断によって評価する臨床研究を開始した。その目的は、分子標的治療剤による治療開始早期では、CT像による評価病変の計測は必ずしも治療効果を反映しないため、症例によっては不必要な分子標的薬が長期間投与され、有害事象によって患者のQOLを著しく損なうと同時に、適切な治療を受ける機会を逸してしまうからである。そこで、本研究においては、腎癌の局在診断に有用である11C-acetate PETを用いて、治療効果の判定における有用性を明らかにする。本研究で明らかにすべき疑問点は以下の2点である。 11C-acetate PETは腎細胞癌の再発病変、転移病変を検出できるか? 11C-acetate PETはCTや他の画像診断より、より早期に腎細胞癌に対する分子標的治療剤の効果を評価可能であるか? 研究方法 平成21年度は腎細胞癌に対する腎摘除術後に再発・転移性病変を有する5名の患者に対して、分子標的治療剤の投与前後にCT、に11C-acetateならびにFDG PETを施行した。 データ解析 対象症例数が少なく総合的な解析は研究終了後に実施する予定である。全般的な評価としては、治療前の検査ではFDG PETと比較して11C-acetate PETは腎外病変をより高い感度を持って描出することができた。また、分子標的薬投与開始後4週間の評価では、11C-acetateの集積が低下する症例、変化に乏しい症例が認められた。これらの変化が、治療効果を反映するかどうかは、Progression Free SurvivalやOverall Survivalなどの指標とこれらPETの結果を見たうえで判断する予定である。
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