研究概要 |
本年度は、ヒト前立腺腫瘍から初代培養し得られた癌間質細胞PCaSC-8およびPCaSC-9の性状を、市販の正常ヒト前立線ストローマ細胞PrSC(Lonza社)と比較検討した。 【検討1】PCaSC-8およびPCaSC-9について、間質細胞としての分化マーカーや細胞増殖因子のmRNA発現をPrSCと比較したところ、テネイシンC(TN-C),αSMA,EGF,FGF-7,IGF-I mRNAが有意に高発現していた。 【検討2】PCaSC-8およびPCaSC-9では、PrSCに比較してサイトカインTGFβと血管新生促進物質VEGFの産生量が有意に高かった。 【検討3】in vivo腫瘍形成試験において、PCaSC-8はPrSCよりもヒト前立腺癌細胞の細胞増殖率(Ki-67 index)を有意に上昇させた。 以上の検討から、ヒト前立腺腫瘍由来癌間質細胞PCaSC-8およびPCaSC-9は癌間質としての特性を有していると考えられた。
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