研究課題/領域番号 |
21592046
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
松原 昭郎 広島大学, 医歯薬学総合研究科, 教授 (10239064)
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研究分担者 |
安井 弥 広島大学, 医歯薬学総合研究科, 教授 (40191118)
亭島 淳 広島大学, 医歯薬学総合研究科, 助教 (20397962)
井上 省吾 広島大学, 病院, 助教 (90457177)
大原 慎也 広島大学, 病院, 助教 (70444693)
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キーワード | 前立腺癌 / 膜蛋白 / CAST法 |
研究概要 |
本研究では、前立腺癌の診断や治療に有用となる新規前立腺癌特異的な膜蛋白と分泌蛋白の検索を行っている。平成21年度は、正常前立腺と前立腺癌細胞株LNCaP, DU145からcDNA libraryを作製し、CAST法を用いて前立腺癌で発現の高い膜蛋白と分泌蛋白の抽出を行った。候補となった約60遺伝子に関しては、前立腺癌9症例と正常前立腺2症例、正常14臓器での発現量をreal time RT-PCRにて比較した。その結果、CDONは前立腺癌で高発現していることが判明した。CDONはimmunoglobulin superfamilyに属する細胞表面受容体で、横紋筋の分化に関係することが知られているが、これまでに上皮性悪性腫瘍での報告はないためさらに検討を行うことにした。Western blotでは前立腺癌細胞株PC3での発現は確認できなかったが、LNCaPとDU145でCDONの発現が確認された。siRNAによるCDONの抑制効果をDU145を用いて調べると、MTT growth assayではsiRNA群で有意な増殖抑制効果が認められ、invasion assayでもsiRNA群で有意な浸潤細胞の減少が認められた。CDONは前立腺癌の増殖や浸潤能に関与していると考えられ、治療標的としての可能性が示唆された。今後は実際の臨床検体での発現と臨床病理学的因子との相関を検討し、さらに研究を進めて行く予定である。またCAST法より抽出されたその他の遺伝子に対しても、多数例での臨床検体における発現や機能解析を進めて行く予定である。
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