研究課題/領域番号 |
21592055
|
研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
河合 憲康 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 准教授 (20254279)
|
研究分担者 |
戸澤 啓一 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 准教授 (40264733)
橋本 良博 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 研究員 (40244561)
安藤 亮介 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 研究員 (30381867)
郡 健二郎 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 教授 (30122047)
福田 勝洋 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 研究員 (30468251)
|
キーワード | 温熱治療 / 磁性ナノ粒子 / 磁場誘導組織内加温法 / 前立腺癌 / ナノテクノロジー / 癌転移巣治療 |
研究概要 |
ラット前立腺癌大腿骨浸潤モデルを一昨年度に作成した。このモデルを用いマグネトリポソームに交番磁場を照射することによるナノテクノロジーを用いた温熱治療(磁場誘導組織内加温法)を実施した。「抗体結合型磁性ナノ粒子を用いた前立腺癌転移巣選択的磁場誘導加温法の基礎研究」のテーマに乗っ取り、前立腺癌の転移巣として最も多い骨転移巣の治療の研究を継続した。抗体結合型磁性ナノ粒子を用いて骨転移巣に指向性を持たせて骨転移巣に集積させることを試みたが、結果としては集積させることはできなかった。原因としては、用いた前立腺細胞膜抗原抗体(抗PMSA抗体)の性能、次に磁性ナノ粒子の構造が考えられた。本研究では抗PMSA抗体の性能が鍵をにぎるため、入手できる数種類の抗体を検討中である。一方、磁性ナノ粒子の構造については、共同研究者を中心に改良中であるが、本年度中には改良することはできなかった。並行して昨年度までに行っていた、ラット前立腺癌骨転移浸潤モデルに対しての、磁性ナノ粒子の局所注入による温熱治療の研究を継続した。昨年度までの研究から、さらに私たちの磁場組織内誘導加温による骨転移巣の増悪抑制には、HSP70の出現を中心とした温熱免疫が関与していることが示唆された。また、臨床面で再燃前立腺癌の標準治療になっている抗癌剤(タキソテール)より、磁場誘導組織内加温法は有意に前立腺癌骨転移巣の進行を抑制し、この温熱治療法の有用性が示された。
|