研究課題/領域番号 |
21592061
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研究機関 | 金沢医科大学 |
研究代表者 |
杉江 茂幸 金沢医科大学, 医学部, 教授 (60187648)
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研究分担者 |
田中 卓二 金沢医科大学, 医学部, 教授 (40126743)
安井 由美子 金沢医科大学, 医学部, 助教 (90434472)
尾山 武 金沢医科大学, 医学部, 助教 (00515314)
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キーワード | 前立腺がん / 発がん / 幹細胞 / 炎症 |
研究概要 |
前立腺発がんにおける幹細胞の役割を検討する目的で、まず、去勢による前立腺組織の萎縮により、腺上皮の脱落、幹細胞の残存状況を検討し、去勢後のテストステロン投与による再生状況を検討する目的で6週齢、8週齢オスF344ラットを去勢し、テストステロン持続注入剤を挿入し、非処置群、去勢単独群と共に3日後、2週間後に犠牲死し、剖検、前立腺組織をフォルマリン固定後、病理組織標本を作製し、合わせて、委縮、再生状況を比較検討のために細胞増殖マーカーPCNA、アポトーシスマーカーCaspase 3、幹細胞マーカーCD133を免疫染色した。その結果、3日後で去勢により著明に委縮が認められ、テストステロン投与で概ね委縮は抑制されていた。前立腺は、主にventral lobe、lateral lobe、dorsal lobeに分かれているが、細胞増殖は、週齢と葉で異なり、非処置群のventral lobeでは、6週齢で90%程度と非常に高く、8週齢、10週齢で50%前後に低下維持されえる傾向にあり、lateral lobe、dorsal lobeでは、6週齢から10週齢の間、30%前後で維持されていた。これに対して、去勢群では、6週齢から10週齢の間、ventral lobeで10%前後、lateral lobe、dorsal lobeで1~数%程度に維持されていた。去勢+テストステロン投与群では、6週齢、8週齢共にテストステロン投与開始3日後、2週間後でventral lobeは、70~80%程度と著変がなかったのに対して、lateral lobe、dorsal lobeは、3日後30~40%程度で2週間後は90%程度と著増していた。去勢群でアポトーシスは、去勢3日後で概ね終了し、Caspase 3陽性細胞は、概ね陰性であった。このことから6週で去勢、1週間後から発がん剤投与し、その後テストステロン投与する実験系で実験を行うこととした。
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