研究課題/領域番号 |
21592064
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
浪間 孝重 東北大学, 大学院・医学系研究科, 非常勤講師 (70282069)
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研究分担者 |
中川 晴夫 東北大学, 病院, 講師 (80333574)
海法 康裕 東北大学, 病院, 助教 (30447130)
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キーワード | 夜間頻尿 / 高齢者 / 疫学調査 / 骨折 / 死亡率 |
研究概要 |
平成21年度は2003年に行った疫学調査後の長期経過観察のうち、3年分のデータを集積し、そのデータを解析して成果発表を行った。 1)骨折との関連 2003年に行った疫学調査の後、3年間のデータを集積し、解析を行った。その結果、骨折は3年間の経過で28名に認められ、夜間頻尿を有する症例の4.9%で発生し、夜間頻尿を有しない群では2.3%の発生率であった。この結果をコックスの比例ハザードモデルを用いて解析すると、夜間頻尿は独立した骨折の危険因子であり、そのハザード比は2.45倍であることが明らかとなった。 転倒に伴う骨折については23名に認められ、夜間頻尿を有する症例の4.1%で発生し、夜間頻尿を有しない群では1.9%の発生率であった。この結果をコックスの比例ハザードモデルを用いて解析すると、夜間頻尿は独立した転倒による骨折の危険因子であり、そのハザード比は2.63倍であることが明らかとなった。 骨折の部位は、下肢、上肢、骨盤および脊椎の順であった。 2)死亡との関連 2003年の疫学調査の後5年間のデータ解析では死亡は32名でみられた。夜間頻尿を有する群では5.8%の死亡率であるのに対して、夜間頻尿を有しない群では2.6%の死亡率であった。これらをコックスの比例ハザードモデルを用いて解析すると、夜間頻尿は死亡の独立した危険因子であり、そのハザード比は2.2倍であることが明らかとなった。 3)夜間頻尿と医療資源の消費との関連 2003年の調査後、30ヶ月の医療資源消費を算出し、夜間頻尿との関連について調査を行った。その結果、夜間排尿回数が多いほど、医療資源の消費が多い事が明らかとなった。 平成22年度は2003年に行った疫学調査後、5年分のデータを集積し、そのデータを解析した。 5年間のデータ解析においても、骨折の発生、死亡率ともに夜間頻尿が独立した危険因子であることが明らかとなった。
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