研究概要 |
平成22年度は疫学調査後の長期経過観察のデータ集積と解析、成果発表を行った。 1)骨折との関連 2003年に行った疫学調査の後、5年間のデータを集積し、解析を行った。その結果、骨折は夜間頻尿を有する症の7.2%で発生し、夜間頻尿をしないでは3.5%の発生率でった。この結果をコックスの比例ハザードモデルを用いて解析すると、夜間頻尿は独立した骨折の危険因子であり、そのハザード比ほおよそ2倍であることが明らかとなった。 2)死亡との関連 2003年の疫学調査の後5年間のデータ解析では53名でみられた。夜間頻尿を有する群では9.7%の死亡率であるのに対して、夜間頻尿を有しない群では4.2%の死亡率であった。これらをコックスの比例ハザードモデルを用いて解析すると、夜間頻尿は死亡の独立した危険因子であり、そのハザード比は1.97倍であることが明らかとなった。 これらの結果は各種学会で報告するとともに、論文として出版された。 (Nakagawa H, Niu K, Hozawa A, Ikeda Y, Kaiho Y, Ohmori-Matsuda K, Nakaya N, Kuriyama S, Ebihara S, Nagatomi R, Tsujil, Arai Y. Impact of nocturia on bone fracture and mortality in older individuals : a Japanese longitudinal cohort study. J Urol. 2010 Oct ; 184(4) : 1413-8.)
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