研究課題
平成21年度は主に(1)生体内の結石を高精度に追従・破砕できるシステムの開発に関する研究と(2)結石モデル動物の作成を中心に行ってきた。(1)現時点での課題として、HIFUによる気泡群や機構部の振動発生が患部に対する追従誤差の増大をもたらし、これが超音波画像を変化させ、追従誤差をさらに悪化させること挙げられ、この追従誤差の解決策としては、以下の3手法を用いて検討してきた。(1)患者の呼吸による臓器運動の周期性に着目した追従制御手法の開発。(2)振動除去フィルタのシステム組み込み。(3)気泡群による像の変化の影響を受けていない部分の形状を認識することにより、気泡群に対してロバストにターゲットの位置を認識する方法を開発。上記手法について個別にin vitroでの実験を行ってきたが、それぞれによる追従誤差の縮小が図れてきた。平成22年度はこれらの手法を統合し、さらに総合的に追従誤差を縮小することを目指す。(2)臓器内における結石に対するHIFUによる砕石効果を確認するために、まず摘出動物腎に結石サンプルを埋め込み、これに対するHIFU照射試験を行ってきた。現在は、効率よく結石を砕石できるHIFUの照射条件を検討しているところである。また、生体内における結石の砕石試験を今後予定しているが、それに備えて現在結石のモデル動物(ラット)を作成中である。現時点でラット膀胱に高率に膀胱結石を発生するモデルが完成しつつあり、この膀胱結石に対するHIFU照射が近いうちに可能となると期待される。今後、このモデルについては特許申請も検討している。
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ページ: 522-538
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