研究課題/領域番号 |
21592075
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
丸山 哲史 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 研究員 (50305546)
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研究分担者 |
小島 祥敬 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 講師 (60305539)
林 祐太郎 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 准教授 (40238134)
郡 健二郎 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 教授 (30122047)
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キーワード | 尿路再建 / ホローファイバーシステム / ES細胞 / 上皮間葉誘導 / シェアーストレス |
研究概要 |
独自の培養尿路上皮シートを用いて、中空糸周囲空間(extra capillary space/ECS)に細胞を培養した。このシステムを用いて経時的に尿路上皮に対して、細胞数の算定および位相差顕微鏡での形態観察を行った。その増殖能、活性および形態学的特徴を評価し、最適な培養期間および培養の条件等を検討した。特に今回は、中空内に上皮細胞を培養し、環流する培養液にさらし、シェアーストレス下での培養を試みた。ECSに平滑筋細胞を共培養することも試みる。流れに沿った矩形の細胞形態を呈し、ストレスファイバーに代表される細胞骨格とfocal adhesion plaqueを持つこと、また互いにtight junctionが形成されることを、電子顕微鏡および共焦点レーザー顕微鏡もちいて、3次元的に免疫組織学的確認をおこなった。この際に、上皮系細胞のマーカーであるサイトケラチンと間葉系細胞のマーカーであるビメンチンの分布を検討した。アクチンミクロフィラメントやギャップジャンクションを確認した。一部の上皮細胞はEMTを来たし平滑筋へと再分化した。Hox、WntおよびBMP遺伝子群など、腎・尿管発生(特に移行上皮)に重要な働きをしている遺伝子のcDNAを鋳型にPCRで遺伝子を増幅し、プラスミドベクターに組み込んだ。大腸菌にトランスフォーメーションさせ増やしたプラスミドベクターのインサート部分の遺伝子配列をシークエンスで確認し、既知の遺伝子配列の情報と照らし合わせて一致することを確認した。以上の遺伝子を導入したES細胞をLIF除去培養液中でhanging drop法を用いembryoid body(胚様体:EB)を形成させ、分化させた。この分化させたES細胞を、上記ホローファイバーシステムで培養した。また、ホローファイバー(中空糸)を用いた高密度細胞培養装置を用いながら、同時に培養液に一定方向の周期的に強度が変動する電場をかけることで、誘導された平滑筋の配列に規則性があらわれること、およびその強度が増強し電気的共同性を獲得することを確認中である。
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