研究概要 |
1.ODF2遺伝子欠損マウスのrescue実験 ODF2ヘテロメスとODF2-2α-EGFP-TGオスを交配させODF2-2α-EGFP遺伝子をもつODF2ヘテロ(ODF2-2α-EGFPヘテロ)オスマウスを作製したが、雄親であるTGマウスのODF2-2α-EGFPの発現量に個体差があり、rescue実験に影響があることが判った。そのため、個体による発現量の差をなくすために、両アリルにODF2-2α-EGFPが導入されたマウスを作製中である。 2.精子形成におけるODF2と関連する遺伝子の発現量とタンパク質量の解析 ODF2ヘテロマウスと野生型マウスの精巣と精巣上体尾部精子におけるODF2,α-tubulin,β-tubulinのタンパク質量を比較した。ODF2ヘテロでは野生型と比べて、精巣および精巣上体尾部精子におけるODF2量は約6割に低下していたが、α-tubulin,β-tubulin量には著明な変化がなかった。 3.ODF2アイソタイプの解析 平成22年度は、ODF2のアイソタイプ1α,2α,3β,4は、高解像顕微鏡解析によって完全には共局在しないという結果を報告した。本年度は、それぞれの位置関係をより詳細に解析するため、青色蛍光タンパク質AmCyanと黄色蛍光タンパク質ZsYellowにつないだベクターを新たに作製して、Hek293細胞に共発現させて超解像レーザー顕微鏡STEDを用いて解析を行った。ODF2-1α・3β・4をODF2-2αと共発現すると、単独で発現させた場合と異なる発現パターンを示すことが判った。
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