研究課題/領域番号 |
21592086
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
早坂 真一 東北大学, 大学院・医学系研究科, 非常勤講師 (00535099)
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研究分担者 |
寺田 幸弘 東北大学, 病院, 准教授 (10260431)
高野 忠夫 東北大学, 未来医工学治療開発センター, 准教授 (40282058)
大槻 健郎 東北大学, 病院, 助教 (40531330)
鍋島 寛志 東北大学, 病院, 助教 (90547415)
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キーワード | 円形精子細胞 / 生殖補助技術 / 受精能 / 発生能 / 不妊症 |
研究概要 |
受精を成立させるためにもっとも大切な精細胞の役割が卵子内への活性化因子(停止していた減数分裂を再開させる)の導入である。 本年度は円形精子細胞における活性化能力を顕微授精システムを用いて評価した。 精巣組織を細切して、顕微鏡下に形体的に円形精子細胞を同定し、マイクロマイクロマニュピレーターで細胞それぞれを回収した。それらの円形精子細胞を卵子内に注入して、細胞内のカルシウムオシレーションを測定した。さらに、円形精子細胞をホルモン添加セルトリ細胞共培地で2日間体外培養した。体外培養により約20%の円形精子細胞は細胞質が楕円形になり伸長精子細胞様の形態を示した。これらの体外培養伸長精子細胞を卵子内に顕微注入し、卵子内のカルシウムオシレーションを測定した。体外培養伸長精子細胞は円形精子細胞に比してより多くの卵子を活性化し、そのカルシウムパターンは精巣より直接採取した伸長精子細胞(体内成熟精子細胞)と同様の所見をしめした。すなわち、円形精子細胞には卵子活性化因子が殆ど存在せず、卵子活性化能は円形精子細胞が形態を変化させつつある精子成熟の過程で、出現することが明らかになった。さらに円形精子細胞を体外培養することで、形態が伸長精子細胞様に変化した精子細胞には円形精子細胞に比して活性化能が高くなったことが明らかになった。この知見はJ Assisted Reprod Genetics 27 : 565-570. 2010に掲載され、その号の巻頭コメンタリーに新しい知見として紹介された。
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