組織培養はコラーゲンゲル等を用いて培養を行ったが、実験系として不十分であったため、昨年度に確立した3次元培養系を用いて研究を行った。 子宮内膜間質細胞と卵巣チョコレート嚢胞壁由来の子宮内膜間質細胞を用いてTNFaを添加したときのインターロイキン6とインターロイキン8の産生能を上清中のELISAで測定した。24時間、48時間および72時間での検討を行ったところ、内膜症間質細胞の方が子宮内膜に比して反応は早く24時間で最大であり、異なった反応が認められた。 組織培養に近づけるために間質細胞の核を作った後、子宮内膜癌の細胞株であるISHIKAWAとHEC-Iをその外側をくるむような細胞集塊を作成して実験を行った。 ISHIKAWAとHEC-IはもともとTNFaに反応が見られなかったため、この実験系でも同様に反応は認めなかった。従って、他の内膜癌細胞株をいくつか入手しており実験を継続する予定である。単層の細胞培養実験系と3次元培養系での成績には異なったところが認められることから細胞間のシグナル関連因子が関与している可能性が示唆された。 以上のように着実に成果が現れてきており、最終年度の向けてさらに研究を勧めていきたい。
|