研究課題
1)RFRPのゴナドトロピン分泌抑制作用とその機構の解明(1)発達期のラット視床下部におけるRFRPとその受容体の発現雄雌Wistar系ラットを用い発現のRFRP蛋白の発現の推移を検討し、さらに、性腺摘出と性ステロイドホルモン補充を行い、RFRPとその受容体mRNAの発現を検討した。雌雄とも、RFRP蛋白の発現は発達に伴い上昇し、RFRPmRNAま、雌ラットにおいてエストラジオールの投与により上昇した。RFRPの発現は幼弱期にはエストロゲンにより促進されることがわかった。(2)RFRPの思春期発来における意義Wistar系幼弱雌ラットを用い、RFRPの受容体拮抗薬RF9を浸透圧ミニポンプで14日間にわたり慢性脳室内投与を行った。腔開口日はコントロール群との間に差を認めなかった。幼弱期ラットにおいては、RFRPの性機能抑制作用はまだ未発達であり、思春期発来機構に関与していないことが示唆された。2)各種ストレスによるゴナドトロピン分泌抑制へのキスペプチンの関与8週齢Wistar系成熟雌ラットを用い、72時間絶食、自由摂食の2群で検討した。性周期は絶食で延長し、血中LHは低下した。キスベプチンmRNA発現は、後方(弓状核)では低下し、視床下部前方(AVPV)では不変であった。NKBとその受容体mRNAも不変であった。絶食による性機能抑制には、弓状核キスペプチンの発現低下が関与していることを明らかにした。3)ストレスが長期的に性機能と摂食調節機構に及ぼす影響妊娠ラットに自由摂食または摂食制限を行い、出生仔の雌を更に生後の通常栄養、過栄養に分けて、合計4群で性成熟を検討した。仔の膣開口は妊娠中の摂食制限により遅延したが、生後の栄養状態に影響を受けなかった。胎生期に低栄養ストレスを受けたラットの性機能抑制は、生後の十分な栄養によっても改善できないことを明らかにした。
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