研究概要 |
本年度(22年度)はHIFU照射にあたり、超音波画像上の照射ポイントと実際の照射部位にずれが生じることが判明したため、超音波ファントムを用いた誤差の修正を行った。同時に照射範囲の検討も行った。またHIFU照射を行った際に、胎児への影響を調べるため、胎児の心機能評価を超音波断層装置を用いて行う為の心機能評価の指標の妥当性の検討、治療後の合併症として流産、早産が考えられるが、超音波を用いた流産、早産の予知についても検討した。前年度に照射した部位における病理学的検討を行った。[超音波ファントム実験]イメージング用プローブ(8MHz)を結合させたHIFUトランスデューサー(焦点距離5cm,周波数2.3MHz)を用いた。ファントムを用い治療領域の大きさ(縦方向および横方向)を検討した。超音波画像上の照射部位とファントム上の照射部位の誤差を比較検討した。HIFU照射部位は直径2.5mm深さ方向3.0mmであった。画像上のポイントと実際の照射部位の誤差については縦方向には誤差はほとんど認められず、横方向のずれが3-5mm程度認められた。対策としてその値をもとに診断用プローブとHIFUトランスデューサーとのアタッチメントの修正が必要である事が確認された。[病理学的検討]これまでにHIFU照射を行った組織についての病理学的検討の結果すべてに共通して超音波照射による影響として照射領域の空胞変性を伴う凝固壊死変性が認められた。空胞変性はHIFU照射に特異的であることが分かった。[HIFU照射による胎児への影響の評価法]胎児心機能の評価法としてTei indexの有用性につき検討した結果、病的状態ではTei indexが上昇することが判明し、心機能の評価法に用いられる事がわかった。
|