Lactoferrin(LF)などのPrebioticsなどを用いて産婦人科学的観点から早産の予防を目的とした系統的な研究は過去において国内外において全く見られない。本研究により、新たな視点から子宮内感染・早産・preterm PROMの発来機序や防御機構の一端が明らかになり、早産予防という目標を達成することにより脳障害などの心身障害を減少させることが可能となる。更には周産期医療水準の向上・周産期医療費(特に新生児・未熟児医療費)上昇の抑制に貢献し得ることと考えられる。今後、周産期領域において、LF投与による早産防止・治療への臨床応用への道が開かれることが大いに期待されると考えられる。今年度は昨年度に引き続き、(1) Rabbit切迫早産動物モデル(継続)早産予防効果として臨床応用の可能性についての作用機序の検討として、得られているデータの解析を行い、その有効性の確認および評価を行った。(2)ヒトへの投与(医の倫理委員会承認済み):産婦人科領域において難治性腟炎、頸管炎と診断され、従来の治法で症状の顕著な改善が認められない症例に対して、ラクトフェリン錠腟内投与を行うことによりそれら症状に改善効果が認められるか否かを検討。さらに、ラクトフェリン錠腟内投与による副作用等安全性についても有効性と同様に比較した。
|