研究課題/領域番号 |
21592116
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研究機関 | 聖マリアンナ医科大学 |
研究代表者 |
石塚 文平 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 教授 (80097336)
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研究分担者 |
伊藤 正則 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 講師 (30257349)
高橋 則行 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 研究技術員 (80267450)
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キーワード | 早発閉経 / FMR1 / 卵巣 / mast cell / 顆粒膜細胞 / 黄体 |
研究概要 |
早発閉経(premature ovarian failure ; POF)は40歳未満の続発性無月経と定義され、40歳未満の女性での発症率は約1%で比較的高い。POF症例の大部分では卵胞数の急激な減少が認められる。FMR1はX染色体上に存在するPOF関連遺伝子の1つである。幾つかの研究グループによって、POF症例の特徴の1つがFMR1遺伝子の非翻訳エキソンに存在するCGGの3塩基のリピート数の増加(premutation)であることが報告され、これがPOFの原因の1つである可能性が示唆されている。そこで、早発閉経患者のFMR1遺伝子の非翻訳領域に存在するCGGリピート数を調べた結果、30-31であり、卵巣機能が正常である女性よりも大きい傾向を示した。POFの病態を示すマーカーとして、AMHの血中濃度を測定したところ、POF患者の血中AMH濃度は正常者よりも有意に低下していた。 またPOF患者では、過剰の自己抗体を産生していることが知られている。一方、幼弱期における胸腺の機能不全によって過剰の自己抗体を産生する。生後4齢のラットから胸腺を除去し、卵巣機能を調べた結果、胸腺除去個体の一部で卵胞発育が低下し、卵巣を標的とする抗体を産生していた。従って、この動物はPOFモデルの1つに成り得る可能性がある。 マウスにアンドロステンジオンを投与することによって、顆粒膜細胞の早期黄体化とアポトーシスが促進され、卵母細胞の成熟が抑制されている可能性を示唆した。ラットにおいて卵母細胞はneurofilament heavy chainを発現していることと、これがリン酸化されると、卵母細胞の変性と卵胞閉鎖が誘起されることを示した。
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