研究課題/領域番号 |
21592121
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
堤 誠司 山形大学, 医学部, 助教 (50323168)
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研究分担者 |
高橋 俊文 山形大学, 医学部, 講師 (20302292)
倉智 博久 山形大学, 医学部, 教授 (40153366)
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キーワード | エストロゲン / エストロゲン受容体 / 血管平滑筋 / 誘導型NO合成酵素 / 転写因子 |
研究概要 |
【研究の目的】 エストロゲン受容体の作用を調節する共役因子の働きを解析することにより、更年期~老年期女性に対するエストロゲン製剤または選択的エストロゲン受容体調節薬を用いたホルモン補充療法の新たな方向性について検討する。 【研究実績の概要】 (1)従来ホルモン補充療法において、エストロゲンと共に用いられていたメドロキシプロゲステロン酢酸エステル(medroxyprogesterone:MPA)は、エストロゲンによる血管内皮細胞における一酸化窒素(nitric oxide:NO)産生誘導活性を減弱し、NOによる血管拡張作用を抑制する。MPAの代わりに子宮内膜症治療剤である黄体ホルモン製剤のジエノゲストをエストロゲンと併用し、動脈硬化の指標となる血流依存性血管拡張反応を測定し、血管内皮機能を解析した。その結果、ジエノゲストはエストロゲンが誘導する血管内皮細胞のNO産生を抑制せず、MPAに代わるホルモン補充療法薬として使用できる可能性が示唆された。 (2)排卵誘発剤であり、抗エストロゲン作用をもつクエン酸クロミフェンの子宮内膜細胞に対する作用を解析した。子宮内膜細胞株を用いて、エストロゲン、クエン酸クロミフェン、エストロゲンのアンタゴニストであるICI182780の作用を比較し、検討した。クエン酸クロミフェンは、共役因子であるステロイド受容体転写共役活性化因子(steroid receptor coactivator-1:SRC-1)とエストロゲン受容体αの結合を阻害することでエストロゲン受容体応答領域の活性化を抑制し、エストロゲンが誘導する子宮内膜細胞の増殖を抑制することが示唆された。
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