卵巣癌の腹腔内免疫環境と化学療法の相互作用の解析に基づいた免疫療法の構築

2011 年度 研究成果報告書

• 研究課題/領域番号: 21592130
• 研究種目: 基盤研究(C)
• 配分区分: 補助金
• 応募区分: 一般
• 研究分野: 産婦人科学
• 研究機関: 京都大学
• 研究代表者: 万代 昌紀 京都大学, 医学研究科, 講師 (80283597)
• 研究分担者: 小西 郁生 京都大学, 医学研究科, 教授 (90192062) ; 松村 謙臣 京都大学, 医学研究科, 助教 (20452336)
• 研究期間 (年度): 2009 – 2011
• キーワード: 卵巣癌 / 腹膜播種 / 腫瘍免疫 / PD-L1 / 免疫逃避機構

研究概要

本研究では卵巣癌細胞が免疫抑制因子PD-L1を強発現している症例において有意に腹腔内に悪性細胞を認める頻度が高いことを見出し、この分子が免疫学的に腹腔内播種を促進している可能性を考えた。そこで、マウスの腹腔内播種モデルを用いて検討したところPD-L1の強制発現あるいは抑制により、CD8の癌細胞攻撃能およびマウスの腹腔内播種モデルにおける予後に有意に関連することがわかった。卵巣癌においては腹腔内の免疫環境が播種に重要であることが示された。

研究成果

• [雑誌論文] 卵巣癌の播種・進展と免疫環境との関連分子を標的とした治療法の開発 (2012)
  • 著者名/発表者名: 万代昌紀、濱西潤三、安彦郁、松村謙臣、馬場長、小阪謙三、吉岡弓子、小西郁生
  • 雑誌名: 産婦人科の実際 巻: 61 ページ: 201-205
  • 査読あり
• [雑誌論文] The activated transforming growth factor-beta signaling pathway in peritoneal metastases is a potential therapeutic target in ovarian cancer (2012)
  • 著者名/発表者名: Yamamura S, Matsumura N, Mandai M, Huang Z, Oura T, Baba T, Hamanishi J, Yamaguchi K, Kang HS, Okamoto T, Abiko K, Mori S, Murphy SK, Konishi I
  • 雑誌名: Int J Cancer 巻: 130(1) ページ: 20-8
  • DOI: doi:10.1002/ijc.25961
  • 査読あり
• [雑誌論文] The comprehensive assessment of local immune status of ovarian cancer by the clustering of multiple immune factors (2011)
  • 著者名/発表者名: Hamanishi J, Mandai M, Abiko K, Matsumura N, Baba T, Yoshioka Y, Kosaka K, Konishi I
  • 雑誌名: Clin Immunol 巻: 141(3) ページ: 338-47
  • 査読あり
• [雑誌論文] Activated local immunity by CC chemokine ligand 19-transduced embryonic endothelial progenitor cells suppresses metastasis of murine ovarian cancer (2010)
  • 著者名/発表者名: Hamanishi J, Mandai M, Matsumura N, Baba T, Yamaguchi K, Fujii S, Konishi I
  • 雑誌名: Stem Cells 巻: 28(1) ページ: 164-73
  • 査読あり
• [学会発表] 免疫抑制因子PD-L1は卵巣癌の免疫逃避機構を介して腹膜播種を促進する (2012)
  • 著者名/発表者名: 安彦郁、万代昌紀、濱西潤三、吉岡弓子、馬場長、松村謙臣、山口建、Budiman Kharma、奈倉道和、天野泰彰、小阪謙三、小西郁生
  • 学会等名: 日本産科婦人科学会
  • 発表場所: 神戸
  • 年月日: 20120413-15
• [学会発表] Assessment and manipulation of local tumor immunity in ovarian cancer management (2011)
  • 著者名/発表者名: Masaki Mandai, Junzo Hamanishi, Kaoru Abiko, Noriomi Matsumura, Tsukasa Baba, Ken Yamaguchi, Kenzo Kosaka, Ikuo Konishi
  • 学会等名: 日本癌学会
  • 発表場所: 名古屋
  • 年月日: 20111003-5
• [学会発表] 進行卵巣癌に対する化学療法によって、腫瘍局所の免疫状態が変化する (2011)
  • 著者名/発表者名: 濱西潤三、万代昌紀、安彦郁、松村謙臣、馬場長、山村省吾、吉岡弓子、岡本尊子、姜賢淑、奈倉道和、小阪謙三、小西郁生
  • 学会等名: 日本産科婦人科学会
  • 発表場所: 大阪
  • 年月日: 20110829-31