研究概要 |
マイクロアレイ法により、Sry-related high mobility group box 4(Sox4)が子宮筋腫で発現が増強していると報告されているが、子宮筋腫におけるSox4の生物学的機能に関しては全く不明である。しかし、Sox4はtranscription factorであるので、子宮筋腫において下流のSox4標的遺伝子発現を調節することで細胞周期、細胞増殖、アポトーシスcell signalingなどに関与している可能性が高い。Sox4はプロゲステロン依存性であることから、SPRMによる子宮筋腫縮小作用に大きく関わっている可能性が推測される。Sox4が子宮筋腫発育に及ぼす影響を検討し,SPRMの将来における保存的子宮筋腫治療実用化の可能性を鑑み、P4やSPRMによるSox4発現に対する影響を検討した。 Sox4の子宮筋腫発育制御機構の解明、およびP4によるSox4発現に対する影響の検討を子宮筋腫細胞の増殖能、アポトーシス誘導能を検討した RNA interference実験により培養細胞でのSox4蛋白発現を阻害することで培養細胞の増殖能とアポトーシスに及ぼす影響を検討した。SPRM添加、非添加の条件下でRNA interference実験を行い(24、48時間培養)、control群とsiRNA培養細胞における増殖、アポトーシスを細胞数、BrdU取り込み、MTT法、TUNEL法を用いて検討した。また、同時に、アポトーシス実行因子であるcaspase-3、puma、p53、アポトーシス抑制因子であるBcl-2、survivinの蛋白発現を検討することで、どのようなアポトーシス経路が賦活化されるのかを検討した。 検討項目のいずれにおいても一定したデータが得られず、臨床検体を使用しているため、さらに症例数を増やして検討する必要がある。
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