研究課題/領域番号 |
21592140
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
堂地 勉 鹿児島大学, 医歯学総合研究科, 教授 (60150413)
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研究分担者 |
岩元 一朗 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 助教 (50281225)
辻 隆広 鹿児島大学, 医歯学総合研究科, 助教 (50311882)
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キーワード | 骨塩量 / 内臓脂肪 / 皮下脂肪 / 液性因子 / エストロゲン |
研究概要 |
1. 躯幹脂肪と末梢脂肪組織の骨塩量(BMD)に及ぼす非荷重効果の違い 肥満の骨塩量に及ぼす影響は脂肪組織の重量による荷重効果と脂肪組織由来のE2などによる非荷重効果で説明されてきた。内臓と皮下脂肪組織ではそこから分泌されるホルモンの多寡が異なる。脂肪組織由来の液性因子の骨に及ぼす影響は内臓と皮下脂肪組織では異なる可能性がある。躯幹脂肪(皮下脂肪+内臓脂肪)と末梢脂肪組織(皮下脂肪のみ)を測定し、躯幹脂肪と末梢脂肪組織の骨(左腕)に及ぼす非荷重効果の違いについて検討した。その結果、躯幹脂肪組織が末梢脂肪組織に比べて量的に少ないにもかかわらず、液性因子を介して骨に影響を及ぼすことが判明した。閉経女性では、内臓脂肪由来の液性因子(高free E2など)を介して骨に影響している可能性がある。今回の検討から、metabolic症候群では骨は最初は増加するが、進行すると低下していくことが示唆された。 2.体脂肪組織のBMDに及ぼす影響~非荷重効果と荷重効果の強さの差異~ 脂肪組織の荷重効果と非荷重効果のどちらがBMDに影響を及ぼしているかは明確でない。そこで多数例の閉経女性を対象にこのことを検討した。1)躯幹脂肪量は体脂肪量の1/2以下であった。2)右下肢BMDは躯幹脂肪量、体脂肪量と正の相関を示した。3)重回帰分析でBMDと相関したのは、躯幹脂肪量、年齢、YSMであり、体脂肪量は相関しなかった。4)3)の相関は右下肢筋肉量を独立変数に加えても依然有意であった。躯幹脂肪量(皮下+内臓脂肪量)は、体脂肪量(皮下脂肪量優位)よりも、荷重は1/2以下であるにもかかわらず、荷重の最もかかる下肢のBMDの予測因子であった。体脂肪組織のBMDに及ぼす影響は荷重効果よりも非荷重効果の方が大きいことが判明した。
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