研究課題
閉経期以降における動脈硬化性疾患の発症進展には、インスリン抵抗性という病態が深く関連していると考えられる。そこで、今後ますます重要と考えられるインスリン抵抗性の治療薬の開発において、閉経によるインスリン抵抗性の発症機序を解明し、レジスチンやアディポネクチンとの関連を解明することは重要と考えられる。まず、閉経後における肥満・インスリン抵抗性の病態生理を明らかにするために、卵巣摘出ラットを用いて、インスリン抵抗性の評価法としてGolden standardである正常血糖・高インスリン・クランプ検査法によりインスリン抵抗性の有無を検討した。4週齢の雌性Wistarラットにsham手術及び卵巣摘出術を施行し、手術9週後に正常血糖・高インスリン・クランプ検査法において、卵巣摘出ラットでは、glucose disposal rate (GDR)が、Sham手術ラットに比して約30%減少し、インスリン抵抗性が認められ、エストロゲン欠乏によるインスリン抵抗性モデルを確立した。また、アディポネクチン蛋白及びレジスチン蛋白を過剰発現させるアディノウイルスを作製した。卵巣摘出インスリン抵抗性モデルを用いて、アディポネクチンとレジスチンがこのインスリン感受性に及ぼす影響について正常血糖・高インスリン・クランプ検査法において検討中である。さらに、糖代謝におけるインスリン標的臓器である肝臓・骨格筋・脂肪組織におけるインスリンの細胞内情報伝達系を検討し、さらにこれら各臓器における多岐に渡る因子に関して組織学的、分子学的に検討することにより、閉経後によるインスリン抵抗性の分子機序を解明する。
すべて 2009
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血圧Journal of Blood Pressure 16
ページ: 797-800
内科 103
ページ: 786-788