研究課題/領域番号 |
21592149
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研究機関 | 大阪医科大学 |
研究代表者 |
田辺 晃子 大阪医科大学, 医学部, 助教 (70454543)
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研究分担者 |
大道 正英 大阪医科大学, 医学部, 教授 (10283764)
寺井 義人 大阪医科大学, 医学部, 講師 (90278531)
金村 昌徳 大阪医科大学, 医学部, 講師 (40298782)
佐々木 浩 大阪医科大学, 医学部, 助教 (80432491)
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キーワード | 白金製剤耐性卵巣癌 / 癌幹細胞 / 上皮間葉形質転換 / GPR30 |
研究概要 |
種々の癌種で報告が相次いでいる癌幹細胞が、抗癌剤多剤耐性能を有している可能性があることに着目し、上皮性卵巣癌における癌幹細胞の同定と白金製剤耐性化機構の解明にむけ研究をしている。近年、膜型のエストロゲン受容体であるGPR30の発現が、上皮性卵巣癌の予後不良因子になるという報告がなされ(Gynecol. Oncol, 2009 ; 114, 465-)、この分子に着目した。我々は抗GPR30抗体で標識した卵巣癌細胞(A2780)をフローサイトメトリーで分離したところ、GPR30陽性細胞は全体の1%程度を占めていた。また、GPR30発現ベクターを作成し同細胞株に遺伝子導入したところ足場を失い上皮から間質の性格を呈する、つまり上皮間葉形質転換(EMT)を起こしている可能性が示唆された。また、TGF-β刺激によりGPR30の発現量は増加し、同時にE-cadherinの発現減少と転写因子であるsnailの核内移行も確認されたことより、GPR30陽性細胞はEMT現象をおこしている可能性が示唆された。よって、GPR30と、癌幹細胞またはEMT現象との関連をそれら両方面から現在検討中である。一方、臨床で得られた病理組織標本を用い、免疫染色を行ない抗癌剤耐性と予後に対する関与について検討している。EGFR発現は上皮性卵巣癌の予後不良因子の一つとして考えられているがGPR30発現とEGFR発現を組み合わせることにより、有意に予後不良因子となることが判明した。
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