研究課題/領域番号 |
21592151
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
松原 篤 弘前大学, 大学院・医学研究科, 准教授 (10260407)
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研究分担者 |
南場 淳司 弘前大学, 医学部附属病院, 講師 (50361027)
白崎 隆 弘前大学, 医学部附属病院, 医員 (20419980)
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キーワード | 好酸球性中耳炎 / periostin / 動物モデル |
研究概要 |
好酸球性中耳炎は気管支喘息などのアレルギー性疾患に合併する難治性の中耳炎であり、適切な治療が行われないと難聴が進行し聾になる症例も存在する。本研究は治療法の確立のために、好酸球性中耳の病態解明を目的として行われた。 好酸球性中耳炎の特徴的な病態の一つとして、著明な中耳の肉芽形成がある。我々の研究では約30%の患者で著明な肉芽形成が認められる事が明らかになっている。気管支喘息ではリモデリングに線維芽細胞から分泌される細胞外分泌蛋白のperiostinが関与する事が示唆されているが、我々は好酸球性中耳炎では、気管支喘息の有無にかかわらず中耳粘膜下にperiostinが局在し、肉芽形成と密接なかかわりがあることを明らかにした。また、モルモットを用いて、全身感作後に中耳も抗原刺激をすることにより、中耳貯留液、中耳粘膜に多数の好酸球が浸潤する好酸球性中耳炎モデルの作成に成功した。また、このモデルでは好酸球性中耳炎の症例と同様に、periostinの局在が明らかとなり、好酸球性中耳炎にperiostinが重要な働きをしていることが示唆された。これらの結果を英文誌(ACTA Otolaryngol)に、投稿し査読者の審査を経て論文が受理された。現在、印刷中の段階である。 また、好酸球性中耳炎の臨床上の問題点として、気管支喘息合併の有無だけでなくアトピー合併の有無が重要であるが、この点に関しては、他施設との共同研究により、アトピー合併の有無による病態の違いを2011年日本耳科学会で発表しており現在投稿準備中である。
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