研究課題/領域番号 |
21592155
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
西池 季隆 大阪大学, 医学系研究科, 准教授 (90283762)
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研究分担者 |
渡邉 洋 独立行政法人産業技術総合研究所, 人間福祉医工学, 主任研究員 (20358386)
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キーワード | 実験系心理学 / 認知科学 / 脳・神経 / バーチャルリアリティ / リハビリテーション |
研究概要 |
没入型Virtual-reality装置(CAVE)を使用して、視覚環境の一部をスライドまたは回転させることが歩行や姿勢および自覚症状に与える影響を、刺激の運動成分と提示時間を操作し比較検討した。 今回対象となったのは20歳代の健常被験者50名である。被検者の頭部位置をモニターしながら、CAVE内の床面中心まで繰り返し歩行させた。床面中央に投影したテクスチャ刺激について右平行移動、左平行移動、右回転、左回転の計4種類の運動成分を設定し、被験者の頭部位置が床面中心から0.3mまたは0.6mの距離に到達した時に提示を開始した。実験後に、PSQおよびSSQの2種のアンケートを行った。 結果として、頭部位置に関する検討では、水平位置において0.3m条件より0.6m条件でふらつきが大きかった。PSQでは高感受性群でのみ平行刺激より回転刺激の方でふらつきが大きかった。SSQでは高感受性群でのみ歩行停止までの距離が短く提示時間が長い方で、大きなふらつきが見られた。 0.6m条件では提示時間が長く、歩行開始から停止までの時間が短いため、これらがふらつきに影響したと考えられた。PSQ、SSQについては、高感受性群で刺激種類による有意差がみられたため、自覚症状を感じやすい場合に、刺激の種類の影響を受けやすく、刺激としては平行刺激よりも回転刺激の方がふらつきへの影響が大きい可能性が考えられた。 今後、この条件を高齢被験者に付加して若年者と比較し、高齢者の歩行および自覚症状の変化を検討する予定である。
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