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2010 年度 実績報告書

内耳熱ショック応答の加齢による変化と老人性難聴への応用

研究課題

研究課題/領域番号 21592157
研究機関山口大学

研究代表者

山下 裕司  山口大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (00210419)

研究分担者 下郡 博明  山口大学, 大学院・医学系研究科, 准教授 (70226273)
菅原 一真  山口大学, 医学部附属病院, 講師 (20346555)
御厨 剛史  山口大学, 医学部附属病院, 助教 (00467797)
キーワード内耳 / 老化 / 熱ショック蛋白質
研究概要

本研究の目的は,加齢内耳における熱ショック応答の変化を明らかにし,熱ショック応答を応用した内耳保護療法を老人性難聴の治療の将来的な臨床応用に向けた研究を行うことである。そのため我々は,まず,加齢内耳において熱ショック転写因子(HSF1)がどのような役割を持つのかを明らかにする目的で老人性難聴マウスにおける熱ショック蛋白質の発現について検討した。
本年度は,熱ショック転写因子であるHSF1の形質転換動物を用いて,加齢と内耳における熱ショック応答の関係を明らかにした。実験動物として,野生型マウス,HSF1欠損マウス(山口大学第二生化学講座より提供)を使用した。
これらのマウスを,8ヶ月まで飼育し,ABR検査,組織学的検査,RNAマイクロアレイ,ウエスタンブロット解析によって,熱ショック応答の過剰,あるいは減弱した状態が,内耳の加齢性変化にもたらす影響について検討した。
その結果,HSF1欠損マウスは,加齢とともに難聴が進行し,内耳感覚細胞の障害が進行した。内耳障害の様式は老人性難聴に類似するものであった。また,加齢に伴い内耳における熱ショック蛋白質の発現が減弱していることが明らかとなった。この変化は,加齢内耳の脆弱性の一因として熱ショック応答の減弱が関与していると考えられた。現在,さらに詳細に検討中である。
以上の結果は,加齢に伴う難聴の進行と内耳における熱ショック応答の変化が老人性難聴に強く関わっていることを示唆するものである。結果は国内外の学会で発表し,高い評価を得ることができた。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2010

すべて 雑誌論文 (3件) 学会発表 (1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 蝸牛における音響障害後の炎症性サイトカインの動向2010

    • 著者名/発表者名
      中本哲也, 他
    • 雑誌名

      頭頸部自律神経

      巻: 24 ページ: 15-17

  • [雑誌論文] 老人性難聴における熱ショック応答の役割2010

    • 著者名/発表者名
      菅原一真
    • 雑誌名

      Otology Japan

      巻: 20 ページ: 208-212

  • [雑誌論文] AMPAによる末梢前庭障害におけるサブスタンスPの影響2010

    • 著者名/発表者名
      豊田英樹, 他
    • 雑誌名

      頭頸部自律神経

      巻: 24 ページ: 18-19

  • [学会発表] The Strateies against the Hair Cell Degeneration with Otoprotective Molecules2010

    • 著者名/発表者名
      Hiroshi Yamashita
    • 学会等名
      Sixth International Symposium on Meniere's Disease and Inner Ear Disorders
    • 発表場所
      京都, 京都国際会館
    • 年月日
      2010-11-14
  • [図書] よくわかる聴覚障害 難聴と耳鳴のすべて2010

    • 著者名/発表者名
      菅原一真, 他
    • 総ページ数
      334-336
    • 出版者
      永井書店

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公開日: 2012-07-19  

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