研究課題/領域番号 |
21592164
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研究機関 | 和歌山県立医科大学 |
研究代表者 |
保富 宗城 和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (90336892)
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研究分担者 |
山中 昇 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (10136963)
田村 真司 和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (10244724)
戸川 彰久 和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (70305762)
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キーワード | 肺炎球菌 / PspA / 母体免疫 |
研究概要 |
1. 遺伝子組み換えPspAの作成 TOPOTAクローニングキットおよびpETシステムを用い、肺炎球菌TIGR4株よりPspA遺伝子をクローニングし、大腸菌にてPspA蛋白を発現させた後に、Ni-クロマトグラフィーにて精製した。 2. 母体免疫による肺炎球菌特異的免疫応答の誘導 PspAにて雌マウスを1週間に2回、3週間の経鼻免疫免疫を行った後に雄マウスと交配し新生児マウスを得た。新生児マウス出産後に母親マウスの母乳中の抗PspA-IgAおよび-IgG、血清中抗PspA-IgAおよび-IgGの誘導をELISA法にて検討した。また、新生児マウス-母マウス群を、(A群)P免疫母マウス-免疫母マウス由来仔、(B群)免疫母マウス-非免疫母マウス由来仔マウス、(C群)非免疫母マウス-免疫母マウス、(D群)非免疫母マウス-非免疫母マウス由来仔マウス(コントロール)の4群に分類し、新生児マウスの血清中抗PspA-IgGの変化について検討した。これらの検討の結果、母体免疫により母マウス母乳中および血清中さらに新生児マウス血清中に抗PspA-IgGが誘導されることが判明した。また、新生児マウス-母マウス群を分類することで、新生児マウスにおける免疫応答は、免疫母マウスによる母乳栄養により維持されることが判明した。 以上の検討に加えて、さらに、母体免疫による新生児マウスの肺炎球菌感染予防効果および新生児マウスに誘導されるTh1/Th2/Th17系免疫応答について検討した。母体免疫による新生児マウスの肺炎球菌感染予防効果については、新生児マウスに肺炎球菌TIGR4株を経鼻接種した後に、鼻咽腔、肺、血液、脳における肺炎球菌コロニー数の検討を行った。また、分離された肺炎球菌については、血清型およびPFGE法による菌株の一致性について確認をおこなった後に、肺炎球菌のコロニー形態であるOpaqueおよびTransparent株の評価を顕微鏡下に行った。おもに、鼻腔洗浄液からはTransparent型が検出されるのに対し、鼻粘膜組織、肺、血液からはOpaque型が検出される結果を得ている。また、生後7日目に新生児マウス脾臓よりリンパ球を分離し、PspA、ConAにて72時間刺激した後に、リンパ球の幼弱化および培養上清に産生されたIL-2、IL-6、IL-10、IL-12、IFN-γ、IL-17をELISA法にて測定した。PspA母体免疫母マウス由来の新生児マウスリンパ球では、PspA刺激によりIL-17が産生されることから、母体免疫のメカニズムにTh17系免疫応答が関与していることが判明している。
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