研究概要 |
1. 母体免疫による肺炎球菌特異的免疫応答の誘導 PspAにて雌マウスを6回(3週間)の経鼻免疫を行った後に雄マウスと交配し仔マウスを得た。仔マウスを、A群:免疫母マウス由来-免疫母マウス保育、B群:免疫母マウス由来-非免疫母マウス保育、C群:非免疫母マウス由来-免疫母マウス保育、D群:非免疫母マウス由来-非免疫母マウス保育(コントロール)の4群に分類し、仔マウスの血清中抗PspA特異的抗体の変化について検討した。仔マウス血清中に抗PspA特異的IgG抗体(IgG1サブクラス優位)が誘導され、免疫母マウスによる母乳栄養(A群)により維持されることが判明した。 2. PspA母体経鼻免疫によるマウス鼻腔への肺炎球菌定の予防 仔マウス鼻粘膜組織中の肺炎球菌数は、PspAにて経鼻免疫された母マウス由来の仔マウス(A群)では、コントロールに比較して有意に減少した。また、B群においても、免疫された母マウスの母乳栄養を受けた場合には,鼻粘膜組織中の肺炎球菌数の減少傾向が認められた。 3. PspA母体経鼻免疫によるマウス鼻腔への肺炎球菌定の予防 仔マウス肺組織中の肺炎球菌数は、PspAにて経鼻免疫された母マウス由来の仔マウス(A群)では、コントロールに比較して有意に減少した。また、B群においても、免疫された母マウスの母乳栄養を受けた場合には,鼻粘膜組織中の肺炎球菌数の減少傾向が認められた。 4. PsA母体経鼻免疫によるマウスの肺炎球菌全身感染の予防 PspAにて経鼻免疫された母マウス由来の仔マウス(A群)では、肺炎球菌全身感染症による生存期間の延長が認められた。また、B群およびC群においても、胎盤移行抗体あるいは母乳抗体を得ることで肺炎球菌全身感染症による生存期間の延長が認められた。
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