研究課題/領域番号 |
21592167
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
長沼 英明 北里大学, 医学部, 講師 (00198342)
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研究分担者 |
河原 克雅 北里大学, 医学部, 教授 (70134525)
阪上 洋行 北里大学, 医学部, 教授 (90261528)
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キーワード | Arg-Vasopressin / 血管条 / 中間細胞 / 液胞 / 内リンパ水腫 / 聴力低下 / 酸素分圧 / メニエール病 |
研究概要 |
本年度もArg-Vasopressin(AVP)の投与に伴う聴覚の機能低下モデルにおける蝸牛血管条、外側壁病変を解析する目的で、1)形態学的変化、2)生理学的変化について検討を継続した。 1)形態学的変化 Wistar 系ラットに0.02 units/gのAVPを腹腔内に投与し、1時間後の蝸牛血管条の形態を電顕的に観察した結果、中間細胞の細胞内浮腫を認めた。これまでの我々の研究で、AVPの投与後の聴覚の機能低下は、この現象で説明できる可能性がある。中間細胞の細胞内浮腫の結果、組織全体の循環障害が生じ、酸素分圧が低下がおこり、Na-KATPaseの機能低下を介して、各種のイオン代謝に障害が生じたために、血管条機能が低下し、これが聴覚の低下を招いたものと考察した。加えて本年度はArg-VasopressinのV1aR拮抗薬OPC-21268の前投与は投与、同量のArg-Vasopressin投与の効果を抑制した。このことは本拮抗薬は今後メニエール病の治療薬としての可能性が示唆された。 2)生理学的変化 Wistar 系ラットに0.02 units/gのAVPを腹腔内に投与後蝸牛血管条の組織内酸素分圧を生物組織内酸素分圧連続測定装置、酸素電極POE-023517KNを用いて測定を行っているが、徐々に安定した結果が得られてきた。これまでの結果では、AVPを腹腔内に投与後に、約5-10mmHgの組織酸素分圧の低下が認められている。本年度は動脈血の酸素分圧を同時に測定しながら血管条組織酸素分圧の変化を測定している。今後dataを積み重ね、蝸牛血管条の組織内酸素分圧が低下していることが証明できれば内リンパ水腫関連疾患のみならず、現在原因不明とされる突発性難聴の聴力低下のメカニズムを明らかにできる可能性があり、今後の研究結果が期待される。
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現在までの達成度 (区分) |
理由
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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