1.前処理方法の最適化 POCTでnative蛋白を検出することが目的である。今まで、抗体とCTP蛋白が「非還元状態で」反応するかどうかを検討してきたが、適度な還元が必要であることが判明した。すなわち、還元剤として抗原抗体反応阻害しないマイルドな還元剤2-MEAを用いた場合、DTT+ヨードアセトアミド(IAA)を用いた場合、の2種類を検討した。それぞれにおいて変性剤としてSDS、Urea、NP40の効果を比較検討した。エライザ法による検討を行った。その結果、2MEAの還元力は低く実用的でない。強い還元剤ジチオスレイトール(DTT)を用いてまずサンプルを前処理し、余剰還元力を打ち消す能力(開裂したS-S結合を再結合させないようにSH基をアルキル化する)のあるヨードアセトアミド(IAA)を加えてからエライザを行う方法を検討している。これ、ヒト外リンパとヒト血清の間に十分な反応性の違いが見られた。本方法によってNative CTPを検出できる可能性がある。 2.ELISA系の最適化 上記の結果を基に、抗CTPペプチド・ポリクローナル抗体12種類を、エライザプレートの固相、捕捉抗体としてそれぞれ使用し、CTPとの反応性をエライザ法で測定する。外リンパと、コントロールの溶血血液を比較して、反応性がもっとも高い組み合わせを検証する。現在のところ、本方法による豚外リンパでのエライザ構築の精度を検討している。 3.ポジティブコントロールとしてのブタ外リンパの採取 狂牛病の影響からウシサンプルが入手できなくなり、現在我々はブタ頭蓋を屠畜場から購入し、手術用顕微鏡を用いて削開し、内耳から外リンパを採取している。現在のところ、モルモットなどの齧歯類などでも検討を行っている。
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