1CASKの発現時期と細胞内局在の解析 ニワトリ胚凍結切片を用いた間接蛍光抗体法による解析から、CASKが初期胚(内耳原基形成期)で既に細胞質に発現しており、有毛細胞と同様な小胞様の局在を示すことを明らかにした。この初期胚における小胞と、有毛細胞で見られる小胞が同じものであるのかを確認するため、さらに種々のオルガネラマーカーとの二重染色を試みたが、そのいずれとも局在が一致しなかった。現在さらに別のマーカーを用いて検討を進めている。この細胞質小胞がCASKの輸送小胞であるのか、あるいは実際にCASKが機能している場であるのかを確認することはCASKの生理機能を知る上で非常に重要である。マウス組織での間接蛍光抗体法による解析、またin situハイブリダイゼーションによるmRNA発現の解析については、現在実施中である。また、間接蛍光抗体法の検討を同時に行い、抗原賦活化を行うことで抗CASK抗体の反応性が著しく向上することを見いだした。現在、さらにクリアな免疫染色画像を得ることを目標として、条件検討を進めている。 2各種条件下でのCASK細胞内局在の解析 内耳障害または再生時におけるCASKの細胞内局在の観察をおこなうため、ゲンタマイシンを用いたマウスおよびニワトリin vivo内耳障害モデルの確立を進めている。またニワトリ同様、マウス内耳においても細胞内カルシウムがCASKの局在に影響を与えていることが明らかとなり、この分子の生理機能におけるカルシウムの重要性がより高まった。現在、生細胞イメージング法の確立を進めている。
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