研究概要 |
本研究に同意を得られ、問診ならびに基準嗅力検査により嗅覚障害がないことが確認できた健常成人5名に対して、SPECT-CTとMRIを用いて^<201>Tlオルファクトシンチグラフィの画像診断としての有用性と人体に対する^<201>Tl経鼻投与の安全性の検討を行った。結果:^<201>Tl経鼻投与24時間後に、嗅神経に該当する部位に^<201>Tl高集積を認めた。特にSPECT-CT単独よりもMRI画像と合成画像を作成することで、より詳細に^<201>Tl集積部位を描出できることが明らかとなった。さらにSPECT-CTとMRI画像の融合に、Mutual information法が有用であることが判明した。塩化タリウム溶液(^<201>TlCl)の投与量は、経静脈投与で通常行っている^<201>Tlシンチグラフィ(心臓など)での投与量(1ml,74MBq/ml)の3分の一程度で十分なことが明らかとなった。^<201>Tl経鼻投与1週間後に、被験者の嗅覚を基準嗅力検査により評価したが、嗅覚には有意な変化は認めなかった。また^<201>Tl経鼻投与後の鼻腔ファイバースコープでの観察でも鼻腔内粘膜に異常所見は認めなかった。その他、被験者の全身状態に特に顕著な影響は認めなかった。 まとめ:^<201>Tl経鼻投与の人体への安全性と、^<201>Tlオルファクトシンチグラフィの至適条件が明らかとなった。また嗅覚正常な被験者では、^<201>Tlは経鼻腔的に嗅球へ到達することが画像による客観的方法で明らかとなった。
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