研究課題/領域番号 |
21592178
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研究機関 | 獨協医科大学 |
研究代表者 |
春名 真一 獨協医科大学, 医学部, 教授 (60198934)
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研究分担者 |
深美 悟 獨協医科大学, 医学部, 准教授 (00311944)
月館 利治 獨協医科大学, 医学部, 講師 (40287256)
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キーワード | 嗅粘膜 / 好酸球 / 分泌異常 / リモデリング / 副鼻腔炎 / 嗅覚障害 |
研究概要 |
1)嗅粘膜を細胞培養し、正常嗅粘膜細胞の増殖および分化能と比較する。そのために、なるべく生体内に近づける目的で、嗅粘膜上皮と繊維芽細胞や脳アストログリアの再構成による嗅粘膜の三次元培養を試みた。上皮細胞の分化を支持すると言われるVitaminA加無血清培地と血清培地を用い、両者の培地での増殖および分化能を比較観察した。培養細胞に対して種々のcytokeratin抗体や抗Neurafilament抗体を用い嗅上皮であることを同定した。さらに兎実験的副鼻腔炎モデル時の嗅粘膜を嗅粘膜上皮と繊維芽細胞や脳アストログリアの再構成による嗅粘膜の三次元培養を試みた。しかし、現在まで嗅細胞は培地の中では、抗体を用いた嗅細胞の生存の確認は数日間のみであり、明らかな嗅細胞のcell lineの確立には至っていない。 2)マウスリモデリングのモデルの作製を試みた。その結果、嗅粘膜上皮の支持細胞、基底細胞、嗅細胞、細胞表面およびBowman腺の染色像を正常嗅粘膜と対比すると鼻腔呼吸粘膜では、多数の好酸球浸潤、基底膜肥厚、上皮細胞剥奪、杯細胞の出現を観察し、リモデリングの所見が観察された。しかし、嗅粘膜では呼吸粘膜に比べて好酸球浸潤および基底膜肥厚は軽度でリモデリングの影響は少なかった。杯細胞への置換も軽度だが、分泌腺においては、嗅粘膜上皮でのSNAの発現およびボーマン腺でのConAの発現を認めた。 従って、好酸球性副鼻腔炎では、活性好酸球による直接の嗅粘膜障害よりも嗅粘膜分泌異常に伴う嗅粘膜表面での嗅分子の接着障害の可能性が推測された。
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