研究概要 |
エストロゲン、プロゲステロン、Her2の発現がしていないtriple negative breast cancer (TNBC)は予後が悪いことで知られている。breast cancer stem cellに特徴的なCD44+,CD24-/lo phenotypeに富み、また高率にCSPG4(=高分子黒色腫抗原:HMW-MAA)を発現していることを発見した。マウスモデルを用いCSPG4特異的抗体を用いることによりTNBCを抑制されることを論文にまとめ、Journal of National Cancer Institute誌に投稿し掲載された。このジャーナルに採択された事は本基礎研究成果の重要性と将来的な臨床への応用、とりわけ高分子黒色腫抗原を用いた抗体療法への発展が期待される。 また、各種癌幹細胞様細胞においてCSPG4と共発現をしていると言われているB7-H3の発現解析を頭頸部扁平上皮癌細胞と下咽頭扁平上皮患者由来組織を用いて行った。結果、は検討した頭頸部扁平上皮癌細胞全てにおいてB7-H3細胞表面蛋白発現が認められた。また患者由来組織においても遠隔転移を生じた症例は統計学的有意にB7-H3高発現していた。B7-H3発現強陽性の患者群は、その他の患者群に比べ有意に遠隔制御率と疾患特異的生存率は有意に低値であり、多変量解析においてはB7-H3強陽性はN因子と共に疾患特異的生存率に対する独立した予後不良因子であった以上のことを論文にまとめ、International Journal of Oncology誌に投稿し掲載された。
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