徳島大学病院臨床試験倫理審査委員会の承認を得て、難治性の亜鉛欠乏性味覚障害患者に、亜鉛欠乏性味覚障害患者の亜鉛補充療法にオリゴ糖を併用させて、オリゴ糖の亜鉛栄養状態の改善に与える影響を調べた。具体的には、難治性の亜鉛欠乏性味覚障害患者に、プロマック150mg/日に加えて、オリゴ糖2g/日を投与した。投与前後の症状スコアーは、症例1が20から35、症例2は30から70、症例3は50から50、症例4は85から90、症例5は75から80、症例6は25から70、症例7は30から30、症例8は0から0、症例9は10から15、症例10は25から70、症例11は30から50であった。すなわち、改善は3例、やや改善は1例であった。難治性患者を対象としているため、効果はあると思われるが、オリゴ糖の投与量についてはさらに検討が必要と思われた。 体重200gのウイスター系ラットを使用し、ミネラル混合を亜鉛フリーのものを使用して亜鉛欠乏食餌を作成した。ラットを亜鉛欠乏群とコントロール群に分け、亜鉛欠乏群に亜鉛欠乏食餌を与え、血清ACE活性を測定した。亜鉛欠乏食を9日間投与で血清亜鉛値が低下し血清ACE活性比が上昇するのに対して、血清ACE活性は変化をしなかった。血清ACE活性そのものは、亜鉛栄養状態の評価に適していないと考えられた。
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