研究概要 |
MAL, MAL2, BENEを含むプロテオリピドのMAL(Myelin and Lymphocyteprotein)遺伝子ファミリーは、上皮細胞における表層への蛋白輸送と細胞極性の制御因子であると考えられている。今回、我々は一致した症例の原発と転移の頭頸部扁平上皮癌(HNSCC)腫瘍におけるMAL2とBENE遺伝子の発現と染色体部位の欠損(LOH)の状態を分析した。結果として、転移HNSCCにおけるMAL mRNA発現のdown-regulationは顕著であり、それは有意に転移HNSCCにおけるLOHと関連していた。更に、我々はHNSCCにおける診断的マーカーとして血中を循環する過メチル化MAL遺伝子の役割を評価した。我々はHNSCC患者からの8例の血清のうち5例(62%)でMALプロモーターの過メチル化を検出し、血清のMALプロモーターの過メチル化の検出がHNSCCの診断的マーカーとなる可能性があると思われた。
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