研究概要 |
拡散強調画像(DTI:diffusion tensor imaging)を用いた神経構造解析についての基礎的検討をおこなった。超高磁場(3T)の磁気共鳴画像撮像(MRI)システム(Achieva Series Quasar 3.0T; Philips Medical Systems)を用い、8チャンネルのSENSEヘッドコイルを適応し、各パラメーター:RT/ET=7420/88msec, motion probing gradient 32軸(b value 800(s/mm^2):32; b balue 0(s/mm^2):1)、128×128matrix; 1.8×1.8mmで、スライス厚2mmで60枚の断面を撮像することで得られた拡散強調画像(DWI)に対して、渦電流による歪の補正処理をおこなった後、DTIを求めるとともに同マトリクスから固有値λ1、λ2、λ3を求めるとともに、トラクトグラフィーを求めた。各固有値およびそれらから計算されるFA(fractional anisotropy, 拡散異方性)の値やトラクトグラフィーの結果と脳各部位の構造との対応関係を検討した。ヒトの一次味覚野であれば視床(VPMpc: parvicellular part of ventromedial posterior nucleus)からの皮質への投射を受けているかどうかがポイントとなるため、同部位に設定した関心領域からのトラクトの追跡をおこなった。その結果、area Gと同部位との連続的接続が観察される一方で、前頭弁蓋部へはそれが認められなかった。同結果は、area Gがヒトの一次味覚野である可能性を示唆するものである。
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