研究課題/領域番号 |
21592212
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研究機関 | 独立行政法人国立病院機構(東京医療センター臨床研究 |
研究代表者 |
徳丸 裕 独立行政法人国立病院機構(東京医療センター臨床研究, 東京医療センター臨床研究センター聴覚平衡覚研究部, 研究員 (60245579)
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研究分担者 |
藤井 正人 独立行政法人 国立病院機構東京医療センター, 東京医療センター臨床研究センター聴覚平衡覚研究部, 部長 (70129633)
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キーワード | 遺伝子 / DNAメチル化 / 頭頸部癌 |
研究概要 |
これまでに当科にて治療を行った頭頸部癌患者(82例)を対象にPGP9.5のメチル化を検討した。 部位別の内訳は下咽頭癌32例、中咽頭癌20例、喉頭癌30例で、病期はI:7例、II:11例、III:10例、IV:28例であった。すべての症例が放射線治療もしくは化学放射線治療により加療された。 PGP9.5のDNAメチル化解析は、生検サンプルから型の如くDNAを抽出し行った。抽出したDNAをBisulfite処理すると、非メチル化シトシンはウラシルに変換されるが、メチル化されたシトシン(5'-メチルシトシン)は変換されない。その塩基配列の違いを利用してメチル化の有無をPCR(methylation specific PCR、MSP)で検出した。特に本研究ではリアルタイムPCRを用いたQuantitative MSP(QMSP)を行った。本法を用いることによりメチル化の定量的な解析を行い、かつ感度、特異度の高い解析が可能であった。 PGP9.5のメチル化は下咽頭癌では21例(65.6%)、中咽頭癌では9例(45.0%)、喉頭癌では16例(53.3%)に検出された。臨床因子との関連を見てみると、Tステージが進むにつれてDNAメチル化の程度もより高い値を示していた。病期やNステージとの関連は認められなかった。また観察期間は短いが、PGP9.5メチル化を伴った症例の予後が不良である傾向が認められた。以上のことから、PGP9.5のメチル化と頭頸部癌の局所浸潤および化学放射線療法に対する治療抵抗性との関連が示唆された。
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