研究課題
最終的に研究期間内にめざすものは網膜細胞の保護や新生血管抑制を行うための網膜保護因子を分泌する新規デバイスの作成である。デバイスは標的因子を発現する細胞が浸潤・培養できる独自に調整したコラーゲンを超臨界CO2溶接法とPLGAやPEGを用いてカプセル化するが、デバイスの容易な着脱や標的因子発現を点眼でコントロールするという安全性を重視したものを目指すものである。まず今年度の研究で超臨界CO2溶接法よりもUV照射による溶接がより容易で、確実であることが判明した。またデバイスから標的因子を徐放させるために我々は前年度コラーゲン微粒子を標的因子の徐放に利用して初期バーストの無い薬剤徐放を成功させたが、今年度は、さらに包埋する薬剤をPEGやTEGを利用してペレット化することにより低分子まで正確に徐放できるようになった。このデバイスはウサギ用(4x4x1.5mm)、ラット用(2x2x1mm)で作製可能で実際にそれぞれの動物の強膜上に移植することでフルオレセインでラベルしたモデル薬剤の徐放を確認できた。この結果薬剤は一方向性の徐放であるためにまず強膜に強く徐放されるが、大きい分子量の蛋白質でも低分子でも目的に合わせて徐放がコントロールできることが判明した。さらにこれらの薬剤は網膜色素上皮細胞を中心に神経網膜内にまで徐放されているのが確認できた(特許:PCT/JP2010/63793)。上記したように最終目的はデバイス内に細胞を培養できるものを目指すが、第一段階として神経保護や新生血管抑制因子を分泌する強膜上留置型デバイスの完成を今回の研究期間内に目指したい。
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