研究課題
最終的に研究期間内にめざすものは網膜細胞の保護や新生血管抑制を行うための網膜保護因子を分泌する新規デバイスの作成である。デバイスの容易な着脱や標的因子発現の徐放コントロールと安全性を重視したものを目指すものである。まず昨年度の研究で超臨界CO_2溶接法よりもUV照射による溶接がより容易で、確実であることが判明した。またデバイスから標的因子を徐放させるためにコラーゲン微粒子、PEG、TEGの利用で高分子から低分子まで正確に徐放できるようになった。このデバイスでラット用(2x2x1mm)を作製し、強膜上に移植することで実験的脈絡膜新生血管膜(CNV)の予防が可能か確認した。使用する薬剤は血管内皮細胞増殖抑制機能のあるバソヒビンを利用した。バソヒビンは初期バーストなく徐放を確認でき、またin vitroで血管内皮細胞(HUVEC)の増殖を抑制することが判明した。このデバイス移植後にバソヒビンの眼内分布を検討すると、強膜、脈絡膜、網膜色素上皮、神経網膜に分布していることが判明した。さらに強度光凝固を利用して脈絡膜新生血管モデルラットにおいて効果を確認したが、蛍光眼底撮影、CNV面積測定においてもバソヒビン非徐放デバイス移植に比較して有意にCNV抑制効果が確認された。この効果はバソヒビンを実際に硝子体内に注入する我々の過去の成績に比較してほぼ同等程度と考えられた。薬剤の徐放が正確に行えるデバイスの作製を行い、その成果をもとに、このデバイスの強膜上留置で動物モデルで得られた成果は非常に興味深いものになった。
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